『RUINER』が魅せるサイバーパンクの世界
『RUINER』はサイバーパンクの世界を舞台とした、過激で爽快な見下ろし型アクションゲーム。
主人公は協力者である女ハッカー力を借り、囚われの兄を救うため大企業に牙を剥く。
要旨
『RUINER』はサイバーパンクその物だ。そのデザイン、サウンド、ゲームプレイがサイバーパンクとして噛み合い調和している。
見下ろし型アクションゲームとしても優れ、その爽快感と攻略の幅広さには目を見張る。
操作に癖はあるが、ボリューム・価格共に手頃でサイバーパンク入門としてもオススメ。
ようこそサイバーパンクの世界へ
『RUINER』の舞台は東南アジアにある『レンゴクシティ』。街を牛耳るのは仮想現実システム『ヴァーチャリティ』を使い、虚構の楽園を人々に提供する『ヘヴン社』である。
主人公は『ヘヴン社』に囚われた兄を救うため、協力者『女』の援護を受けながら単身乗り込む。そしてヘヴン社』が作る楽園の裏側を見ることになる。
アジア文化が色濃い『レンゴクシティ』の街並み。私は『ブレードランナー』や『攻殻機動隊』の漢字が溢れるサイバーパンクが好きなので一気に魅了された。
主人公は電脳と繋ぐインターフェースを兼ねた無機質なヘルメット姿。戦闘用にサイバネティック化された敵に負けず劣らず個性的。プレイ中に挟まれるカットインとサウンドは主人公の電脳化をイメージさせるニクい演出。
サイバーパンクの世界作りに妥協は感じられない。マニアでも満足の出来だろう。
サイバネティックを感じるゲームプレイ
さて肝心のゲームプレイはどうだろう。『RUINER』は見下ろし型アクションの形で、暴力を行使する楽しみを提供してくれる。
唸らせるのがゲームの核となるスキルの起動と停止である。プレイヤーは任意のタイミングでスキルポイントの振り分け・振り直しが可能で、状況に合わせ好きに機能を起動し組み合わせて戦う。
この「好きに殺れる」システムが最高にクールだ。未来感が溢れる銃器や能力をフルに使い派手に蹴散らすのも良い。はたまた粗暴さを感じさせる鉄パイプでの撲殺を追求するも面白い。
このプレイヤーの個性が出るシステムが、望むがまま体をサイバネティック化するサイバーパンクの世界観とマッチしている。
少し操作に癖があり、慣れるまでキャラの前面を敵に合わせるのに苦労した。時の流れを遅くするスキルがオススメ。