PSVRでFPSマルチ対戦が楽しめる良作
【PS4】Firewall Zero Hour (VR専用)
- 出版社/メーカー: ソニー・インタラクティブエンタテインメント
- 発売日: 2018/08/30
- メディア: Video Game
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要旨
VR視点とシューターの相性は抜群で、索敵と撃ち合いの緊張感が癖になる。もし『シューティングコントローラー』を持っていれば自宅がサバゲー会場に早変わり。
体験重視のミニゲームが多い中、既存のFPSをベースとした堅実な作りでリプレイ性も十分にあるのは高評価。
難点は厳しめのアンロック。カスタムの幅は広いのに中々使えるようにならないのは不満。
VRシューターの臨場感が凄い
VRが市場に出始めた時、FPSプレイヤーなら誰しもVRでシューターを、それもマルチ対戦が遊びたいと願っただろう。
その願いは『Firewall Zero Hour』で遂に叶った。人気FPS『Rainbow Six Siege(R6S)』と似た4vs4の本格マルチ対戦が実現したのだ。
プレイヤーはVRを着ければ一瞬で傭兵に早変わり。その手に実物大の銃を持ちチームメイトと共に攻撃または防衛任務へと赴く。
7種あるMAPはFPSプレイヤーなら馴染みのあるシチュエーションとなっている。これまた実物大の建物を自由に移動して撃ち合え嬉しい限り。
本作のMAPは一般的なFPSと比べ曲がり角が多く、リーン(覗き込み)を多用する構成となっている。
このリーンを使った索敵がVRシューターの真骨頂だ。従来のFPSと違い自らの目を使って見回し敵を探す臨場感は手に汗握る体験だ。
なにせ敵がいたら覗き込んだ顔めがけ銃弾の雨が降り注ぎ、3Dオーディオの銃撃音が耳元で鳴り響く。撃たれるのは操作キャラじゃなく自分自身だと実感する。
サバゲーの様な駆け引きが面白い
プレイして驚くのは撃ち合いにおける駆け引きの多彩さだ。従来のFPSは視界と照準が一致していたので、自ずと動きに制限が生じていた。
それがVRシューターならどうだろう。視界と照準の自由度は増し、サバゲーの様な駆け引きが実現している。
例えば物陰から銃だけ出し敵を撃つブラインドファイア。直感で撃つに過ぎないが、VRの臨場感からか侮れない命中率を見せる。
他にも銃の取り回しの違いが一役買っている。本作はVRらしく銃身が物に当たれば銃は引っ掛かり、大きな物音がする仕様。
強力なアサルトライフルは銃身が長く、閉所だと構えたまま動くのに適さない。下手に動き棚などに引っ掛かれば、思う様に射撃出来なくなる。
逆に小さく取り回しの良いサブマシンガンは狭所では断然有利だ。この様に銃の威力やレートだけでなく、物理的な銃のサイズが駆け引きに関わってくるので面白い。
高品質なVR体験を実現
さてVRゲームに重要な体験の品質はどうだろう。その点でも『Firewall Zero Hour』は優秀だ。
映像のレベルはかなり高く、滑らかに描画されている。遠距離の視認は若干苦しいが屋内戦がメインなので許容範囲。
自由移動できる作品として、酔い対策は極めて優れている。ゆっくり索敵して進むスタイルなので負担が少なく、カバーポジション間の素早い移動が求められる『Farpoint』と比べ格段と酔いにくい。
もちろん『シューティングコントローラー』に対応しており、その操作は直感的に行える。左利き向けの設定も用意されているので心配は要らない。
きちんと狙った場所に当てられトラッキング精度も悪くない。あらぬ方向に同期がズレた時は、コントローラーを軽く回せば元に戻せる。
ただサイトの位置が高めで胸で構えることになる。この辺しっかり構えサイトを覗き込んで戦えた『Farpoint』と比べ違和感がある。次第に慣れるが出来たら改善して欲しい。
次世代シューターの姿がここにある
ゲームとしてはシンプルで古臭い出来なのだが、VRを使った索敵と撃ち合いが驚くほど面白い。
自宅で気軽にサバゲー体験を楽しめるとあって、VRHMDを着ける手間も苦にならない程だ。
少々残念なのはR6Sと違い壁や床の破壊は出来ず、ガジェットを用いた戦略の幅が狭い点。アンロック条件が厳しく必要レベルや購入金額が高い点だ。
破壊表現は無理にしろアンロック条件はプレイの水増しに感じ残念。せめて銃やアタッチメントは緩和して欲しい。
細かい欠点はあれど、FPSファンが待ち望んだ本格VRシューターがやっと登場した。折角なので『シューティングコントローラー』を持ち立ってプレイすることをオススメしたい。