スチームパンクの魅力が溢れる傑作
ディスオナード2は無実の罪を着せられた王室護衛官コルヴォの戦いを描いたステルスアクションの続編。
前作から15年、コルヴォは王位を継いだエミリーを支え国政に務めてきた。しかし、クーデターにより二人は失脚してしまい、再び国と自らの名誉を取り戻す戦いが幕を開ける。
ディスオナード2ではプレイキャラとしてコルヴォとエミリーが選べ、本記事はエミリーでのプレイ感想となる。
総論
傑作の名を与えるに相応しい作品。魅力的なデザインで描かれる街の光と影が堪らない。これぞスチームパンクの真骨頂である。
本作はステルス重視のゲーム性ながら自由度が高く、プレイヤーの好みに合わせた多彩なスタイルでのプレイが楽しめる。
バリエーションが豊富な暗殺を楽しむも良し、忍び不殺を心掛けるも良し好きに遊べるのも嬉しい。
セーブする場所によっては再開場所がズレるので小まめにセーブすることを推奨する。
ブラッドボーンを楽しめた人は世界観を含め気に入って貰えるはずだ。是非プレイして欲しい。
栄華の影で蠢く死と虫
産業革命の象徴となる急激な発展が生んだ栄華と格差。それはスチームパンクのジャンルであるディスオナードの世界も同様だ。
プレイヤーは栄華を極めた煌びやかな邸宅や貧者が集まるスラムまで、スチームパンクの魅力が詰まった様々なステージを訪れることになる。
19世紀のロンドンを思わせる汚れた街並み。好きな人には堪らない風景だろう。
舞台となるサーコノスを彩る美しく華やかな都市。その陰で死骸を繁殖に利用する蟲『ブラッドフライ』が羽音を立てる死臭漂う空間が広がりつつある。
主人公が過剰に死体を増やせば『ブラッドフライ』は増え、サーコノスの街は混迷を極めていく。物語と街の結末は主人公の決断や行動で決まるのだ。
ゲームを彩る能力と道具
コルヴォとエミリーは華麗な体術の他に上位者『アウトサイダー』に与えられた超能力と、技術革新で得たガジェットを駆使して様々なミッションをこなす。
中でも超能力は個性的で組み合わせ方を考えるのがパズルの様で楽しい。離れた場所に移動したり物を引き寄せられる『ファーリーチ』、自身を影に変え地を這い進む『シャドーウォーク』、複数の人間の感覚を繋げまとめて処理できる『ドミノ』など魅力的な能力が揃っている。
ダークヒーローの様に敵を圧倒する爽快感を堪能するのも良い。忍者のごとく影に潜み、誰にも悟られず目的を達成する満足感を味わうのも格別だ。はたまた超能力を得ず難関に立ち向かうのも自由である。
ディスオナード2には多くの手段が用意されており、プレイヤーの好みや発想に合わせた様々な攻略が可能になっている。
「Dishonored 2」の底知れない可能性を感じさせるStealthGamerBRの超絶技巧プレイ映像が登場 - https://t.co/wPN2GPGrre pic.twitter.com/I29DUPvbjY
— doope! (@doope_jp) 2016年12月21日
アクションゲームとしても秀逸。上手い人の暗殺は凄まじい。
自由が練り込まれたステージ
ディスオナード2で用意されたステージは驚くほど自由度が高い。
製作の難しさから数本の『正解ルート』が用意されるに留まるケースが多い中で、汎用性が高い超能力と合わさり多彩なルートが幾つも用意されている。
これは全てをコントロールして最高の料理を提示したアンチャーテッドとは真逆とも言える。ディスオナード2には与えられた素材を好きに組み合わせ味わう自由があるのだ。
アップデートで2周目への引き継ぎも実装され、全ての要素を使ったプレイも可能になった。物語を楽しんだ後にこそ、ディスオナード2が持つゲームとしての楽しさに出会えるだろう。
これは私が推しているFPSのレインボーシックス シージにも通じるが、プレイヤーの発想と合わさることで完成する作品は純粋にゲームプレイが面白い。
前作から洗練されたディスオナード2
前作も似た様なコンセプトであったが、率直に言うと自分は前作を心から楽しめたとは言えなかった。どうしてもステルスプレイを押し付けられている感覚があったのだ。
しかし、続編となる本作は違った。ステージの隅々にアイテムや会話イベントが散りばめられており、気持ちよく探索とステルスプレイに誘導された実感がある。
ステージを探索し影から住人達の会話イベントを聞くことで、攻略の糸口が発見できたり街の実態が見えてくる。
本作では物語を深く知ろうとする程に自然とステルスプレイに導かれていく。だからステルス難易度が高めでも楽しく遊べたのだ。
続編ではあるが新主人公エミリーの成長物語の形をとっているので、新規の人でも楽しめる作品に仕上がっている。雰囲気に惹かれた人は思い切ってプレイして見て欲しい。
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