最近は映画好き、海外ドラマ好きの人がゲームをプレイする様になって来ている。
その背景にアメリカ(ここ重要)においてゲームは映画とドラマの中間に位置するメディアとして認知されている為だ。映画もドラマもアメリカが市場開拓した文化である。アメリカはゲームを三本目の柱として育て上げる気なのだ。
そんな中で映画とゲームの融合を目指したのが、The Order:1886である。
The Order: 1886初回生産限定 コスチューム3種、武器2種、戦闘アイテム2種をダウンロードできるプロダクトコード同梱 【CEROレーティング「Z」】 - PS4
- 出版社/メーカー: ソニー・インタラクティブエンタテインメント
- 発売日: 2015/02/20
- メディア: Video Game
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☆総論
ゲームの舞台は1886年だが、ゲーム性は1800年の産業革命中期と言った所。良質な歯車は出揃ったが完全には噛み合わなかった。随所に可能性を感じる惜しい作品。続編に期待。
☆舞台は架空の1886年イギリス。
1886年は産業革命後期と呼べる時代。その世界では半獣と呼ばれる人狼が存在し人間は捕食対象となっていた。そんな半獣と戦った円卓の騎士の末裔である騎士団。それが主人公が属するOrderである。
Orderは聖杯から得られるブラックウォーターを使い不老長寿の力を得て半獣に対抗してきた。長く一進一退の戦いが続いていたが、産業革命で得られた技術により強力な兵器を手に入れたOrderは半獣に対して優位に立ち始める。
しかし、産業革命は同時に新たな敵となる貧民による反乱軍を生み出していた。
☆圧倒的な映像。
ここ最近のゲーム製作は俳優の演技をモーションキャプチャーで取り込んでCG処理している。さらに脚本や音楽も映画やドラマで活躍する人を起用するのが当たり前になった。総制作費も映画並みだ。
当然The Order:1886も映画的手法で製作された。文字通り「映画のゲーム化」を目指した本作は「映画ファン向け」の作品だ。
実写顔負けの映像を動かせる。これが最大の売り。
表現力が段違い。
作り込まれた世界を堪能する為のゲームだ。同じ場面を繰り返し巻き戻して見る様な楽しみ方をする人には至極の逸品だろう。小物等の作りこみが凄い。
個人的に気に入ったのがテスラの研究所の実験器具。ムービーシーンじゃないです。
アップデートでフォトモードが追加され、じっくりと眺めることが出来るようになりました。遊び方の幅が広がったのでうれしい追加です。
☆TPSとQTEを使い「映画体験」に挑戦。
全体的にゲームとしては簡単だ。複雑な操作は無く可能な限り簡略化している。普段あまりゲームをしない人やゲームが苦手な人でも問題ないだろう。
TPSシューターとしては無難な作りで、QTE(イベントなどのタイミングでボタンを押す操作)のタイミングも大分良心的。システムは平凡で目新しさは無い。
そんな平凡なシステムだが物は良い。TPSとして重要な武器回り・格闘攻撃が単純に見栄えが良くて気持ちいい。リロードや銃声等に拘りが見られとてもリアル。架空の武器もセンスが良い。
個人的に特に気に入ったのが硝煙の表現だ。これは本当に素晴らしい。是非他のシューターでも採用して欲しい。
ブラックウォーターによるブラックサイト(敵の動きが遅くなる)も魅せてくれる。
QTEは主人公の体験をプレイヤーに伝えようと言う目的を感じられ好感を持てる。QTE失敗で即死と言う場面もあるけれど、ステルスミッションなので理不尽と言うほどじゃない。
QTEで楽しませる要素をきちんと持っている。全体的に主人公の気持ちを考えながらプレイする方が楽しめる。
☆評価が分かれる演出
特徴的なのは「不自由さ」だ。プレイヤーの行動を誘導するために意図的に自由度を下げていると感じる。非戦闘時は多くの行動が制限され、じっくりと世界観を楽しめと言わんばかり。
そこは時代背景に準じた建物や小物を楽しむ博物館をイメージするとしっくり来る。
歩かされる(走れない)シーンは、立ち止まって建物や小物をじっくり見たい人以外には苦痛だろう。強制すべきでは無かったかも知れない。
しかし、無闇に走らせると確実にゲームの雰囲気が崩れるので難しい判断だったと思う。
この辺りは古いゲームだがTHE BOOK OF WATERMARKSを思いだす。
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- 発売日: 1999/07/15
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ボリュームが無い事は確かに欠点では無い。ここは費やせる金銭や時間に個人差が有るので一概に評価できない。
奇しくもバレンタインが近かったのでチョコレートで表現するならば、量の少ない高級チョコレートと言った印象。お財布と相談が必要だが食べる価値は確かにある。
☆最後に
ゲーム入門として悪くない。PS4に同梱されたゲームであるKnack(ナック)に通じる。(エロ・グロ要素が有って子供にはとてもプレイさせられないけど)
映画好きの為のゲームで、映画を巻き戻して楽しむ様な人は遊び方に困ることも無いだろう。フォトモードも実装されたので自分の好みのスクリーンショットが撮影できるようになったのはうれしい。
フォトモードで撮影した操作中のガラハッド。イベントシーンでなく、戦闘中に一時停止してアップにした映像である。
個人的にはこの環境で「HEAVY RAIN 心の軋むとき」の様なゲームをやりたい。
HEAVY RAIN(ヘビーレイン) -心の軋むとき- PlayStation3 the Best
- 出版社/メーカー: ソニー・コンピュータエンタテインメント
- 発売日: 2011/03/10
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