世界的には何だかんだ成功したと言えるCoD:AW。キャンペーンの評価は上々。クランウォーやランクドも始まりDLCでゾンビモードも搭載となりマルチプレイも充実している。
発売当初からアップデートやバランスに関して色々と話題になっている。今作はeスポーツ重視を明言していたCoDシリーズ。競技性を高めるに当たってパークや武器の多様性は邪魔なので意図的に排除している印象だ。
そもそも多様性を与えるのはルールだけでも十分だ。武器の種類が少なくてもFPSの楽しさは全く損なわれない。
双璧・三つ巴・四天王。他にも昔から色々な表現が有る様に、複数の候補が有る中から最上を決めるのは難しい。何故なら複数の要素で比較・評価した場合どうしても一つに絞れないのだ。それはFPSの武器にも言える事で大体4~5種類に分類される結果となる。
それは武器カテゴリーとして現れている。ショットガン・サブマシンガン・アサルトライフル・ライトマシンガン・スナイパーライフル。これで特徴的な性能の武器が5種類揃った訳だ。
さらに幾つか武器を用意するとしても、汎用性の高いアサルトライフルで3種類程度が限界だ。それ以上に増やすとサブマシンガンの様なアサルトライフルと言った本末転倒な武器が出来るだけ。それでは折角分けた武器カテゴリーの意味がない。
つまり、各カテゴリーで最強を用意する方がバランス(競技性)を保つ上で確実なのだ。
そう。CoD:AWの本質は強武器だけを使って、様々なルールで競い合う人向けのバランス設定だ。つまり、ひたすら勝利を目指すランクドやクランウォーを楽しむ人達がバランス調整の中心になっている。
CoD発祥の地アメリカには「ゲームが仕事の層」いわゆるプロゲーマーが存在する。プロの存在は自然と「ゲームは遊びじゃない層」の意識を高めるだろう。それは海外で度々ランクドやクランウォーの話題が上がる事に現れている。
日本と違いアメリカではランクドやクランウォーが機能しているのだ。2/3日のパッチも殆どがeスポーツルールの改善であり、AWで本格的にeスポーツをCoDの中心に据えてきた印象を受ける。
様々なルールがプレイ出来るモッシュピットが、スタンダードプレイリストの一つ目に置かれた。これもeスポーツに興味を持って貰う為だろう。
それでも従来のゆるく楽しみたいプレイヤーの事も配慮はして、スナイパーのみのプレイリストやお祭りルール等も積極的に追加している。ここは評価したい。
その最たる存在がサプライドロップである。例えばチームデスマッチしかプレイしない人は、武器やパークの多様性がないと長く楽しめないだろう。そこで必要になるのがサプライ武器やネタ武器の存在だ。
サプライドロップは純粋にゲームを楽しむだけなら素晴らしいシステムと言える。欲を言えば一覧表等を埋める形であったら尚更良かった。その点に関しては不満があって当然だろう。
ちなみに、初心者に対する配慮が行き届いているプラントvsゾンビ(PvZGW)も、完成度こそ段違いだが似たようなゲームデザインを採用している。
そもそも、BFのコンクエストの様に多様なプレイが許容されるルールじゃないと、全部の武器で戦える様なバランス調整は難しい。BFもチームデスマッチやドミネーションの様な歩兵戦中心になると、使える武器は大分限られてしまう。
FPS人口が少ない日本は想定されるプレイヤー層の谷間と言える微妙な位置にいる。強武器嫌いな割に競技性を求めたりと海外と比較すると中途半端だ。多くの日本人プレイヤーがCoDの急激なeスポーツ推進に戸惑うのは当然だろう。
大会も積極的に開催しeスポーツと言ったらCoD。本気でそれを狙っていると実感する事が増えている。少なくともBO2で実況用機能をソフトに付けた位には本気だ。
CoDだけでなくFPS全体がeスポーツ重視の流れにある。初心者向けと言われたCoDも、最近はチームデスマッチが中心では無くなりつつある。
プレイリストの一番上にあるモッシュピットで初心者が様々なルールに触れれば、今後は芋嫌いや強武器嫌いの流れも少しは減る事だろう。