引き続き紹介していく孫子の兵法。今回は第3編の謀攻から有名なこちら!
彼を知り己を知れば百戦危うからず
敵を知って自分を知れば絶対に負けない。自分を知って相手を知らなければ勝負は五分五分。敵も自分も知らなければただのギャンブル運任せ。
これ。実は負けないための理論であって勝つための理論じゃない。そして個人に当てはめる事が多いけれど、本質は組織の在り方なんですね。
孫子は勝つために必要な5つの条件を上げた。それが揃えば負けない!と。
その条件とは
一、戦うべきか判断できる。
二、兵力に応じた戦いができる。
三、君主と人民の目標が同じ。
四、万全の態勢で敵の不備をつける。
五、優秀な将軍がいて君主が口出さない。
まず一つ目の戦うべきか判断できる。これって難題ですよね。これが一番難しい。戦うだけや戦わないだけの判断は簡単だけど、両方のバランスを保とうとすると途端に難題です。中庸って言葉が有るけど偏るのに比べるてなんと難しいか!
バランス取ろうとして保守的になって結局バランス悪い。そんなことが多い。偏るって思考放棄が出来るから楽なんですよね。
二つ目の兵力に応じた戦いが出来る。自分を客観的に評価するのは難しい。過大評価、過小評価は当たり前。これが他者ならまだ楽な方。それでも見誤る事は少なくない。
三つ目の君主と人民の目標が同じ。この辺りから会社やらチーム規模の話ですね。目標をきっちり定めて共通認識させる。これが大事。社訓なんかこの役割を果たしてます。見るものは違って良いけど見る方向は同じにしたい。
四つ目の万全の態勢で敵の不備をつける。これは当然ですね。これは逆に態勢が整わず、不備をつけないなら戦うなって事です。当たり前じゃんと思うことほど実は難しい。人は実に無謀な行いを平気でやります。これは自戒の為の項目です。
五つ目の優秀な将軍がいて君主が口出さない。偉い人が足引っ張るな。それだけですね。組織ではよくある事。素人なのに専門家に専門分野でアドバイスしてくる上司とか。
昔から部下が優秀な程に口を出したがる上役は歴史を見ると多い様です。優位性を保ちたい余り口を挟まずには居られない。せっかく上手く行っている事も権限のある人の一言で上手く回らなくなる。「思い付きで物言うなよ!」と現場で困ることありますよね。
全体的にリーダーの独断専行を防ぐ為の教えです。チームや集団の状態を確認せず、一人の考えで無理を通そうとするなと孫子は遠回しに諌めてます。
そしてきっちりこの順番で物事を進めるのが大事です。判断→評価→統一→準備→実行(委任)。この辺りから企業の経営者達が孫子を好む理由が見えてきます。規模は違えど誰しも一度くらいはリーダーの立場になるでしょう。
そこで問題になるのが統一と実行(委任)の部分かと思います。目標を皆で共有しないと万全の準備は出来ませんし、実行するときは皆に任せる必要が出てきます。口を挟まなければいけない時はきちんと目標の統一が出来てないのが原因かも。自分の考えをきちんと伝えるのは思っている以上に難しいです。
幹事なんかもある意味リーダー。嫌でもリーダーやる時は回って来ます。参謀位の方が楽なんですけどね。
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