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『Detroit:BH』にハマった人に見て欲しい作品を紹介

Detroit:BHと合わせて面白さ倍増

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 『Detroit:BH』はルートによって結末がガラリと変わり演出の種類も豊富でした。その中で「あの映画に似ている!」と発見が待っていたのも面白かったです。

 そこでプレイしていて私が思い出した作品を幾つか紹介しようと思います。
  

ブレードランナー

 人造人間レプリカントは製造数年で感情が芽生え反乱や逃亡した。人類に紛れ潜伏する彼らを探し、処理する専任捜査官、それがブレードランナーです。

 新古が入り乱れるサイバーパンクの世界は現実と地続きであると感じさせます。ファンはここに惹かれるのでしょう。

 残り僅かな命を燃やすレプリカントに感情移入し、人間性とは何か考えさせるテーマはデトロイトと同じです。

 変異体を追い捜査するコナーの立ち位置はデッカートをイメージさせますね。もっともデッカートは愛嬌あるコナーと比べ渋い男ですけど。


ブレードランナー2049

 前作から30年後が舞台。主人公となるブレードランナーはデッカートから捜査官Kへ。彼は処理したレプリカントが目撃したと言う奇跡の捜査に乗り出します。

 アイデンティティがテーマとなっており、レプリカントが物事に意味を求めて苦悩する姿が繰り返し描かれます。

 人生の無常さを感じる終わりですが、グッドエンドだけが物語じゃないと、デトロイトファンの皆様なら分かっていらっしゃると思います。

 立体映像のヒロインが余りに可愛く儚くて辛い。彼女のベットシーンは必見です。


ターミネーター2

ターミネーター2 特別編(日本語吹替完全版) [Blu-ray]

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 機械との戦争で人類を勝利へと導いた英雄ジョン・コナー。彼を抹殺するため機械はタイムマシーンを使い殺人ロボットを過去に送り込む。人間と機械の交流を描いた本作は、コナーとハンクの関係を彷彿させます。 

 名前を始めコナーにはターミネーターのオマージュが溢れています。血を舐め分析するのもターミネーター3のT-Xが元ネタっぽい。

 ターミネーターのモデルはT800でコナーのRK800と掛けていますし、地味にマーカスの名前もターミネーター4由来で二人の関係を知るとニヤリとします。

 ちなみにコナーのトロフィー『復活』も英語だと『I'll be back』となっています。時間がない人も2と4だけでも見て欲しいですね。


A.I.Artificial Intelligence

 人間の母親モニカの愛を求め人間になることを望む少年型アンドロイド、デイビットの物語。

 序盤は愛を求めるデイビッドに不気味さを感じます。しかし中盤以降はアンドロイド寄りの視点になり、むしろ人間の身勝手さ残酷さが目につきます。

 その辺りデイビッドがモニカの愛を求める姿が救いになってくれます。自分はアリスにデイビットを重ねてしまいました。


エクス・マキナ

 大手検索エンジンにプログラマーが社長の家に招かれ、エヴァと名付けられた女性アンドロイドのチューリングテストを受けさせられる。 

 人とアンドロイドの恋愛物語。明らかに機械と分かる姿のエヴァですが、人とは不思議なもので人と似た部分を探してしまいます。随所に人間らしさを見せるエヴァはとっても魅力的です。

 張り巡らされた伏線の種明かしと奇妙な爽快さが印象的でした。

 チューリングテストと言えばデトロイトのメニュー画面にいるクロエ。彼女との一連のイベントはエキス・マキナが元ネタでしょう。


ウエストワールド

目覚め

目覚め

 ウエストワールドは西部劇の世界を再現したテーマパーク。訪れたゲスト達は日常を忘れ冒険、暴力、快楽を求めアンドロイドの肉体と命を消費する。

 アンドロイド達は役をこなしては、記憶をリセットされる毎日を過ごしている。ある日起きた些細な綻びが切っ掛けで、アンドロイド達は世界の異常に気付き秘密に迫っていく。

 同名映画を連続ドラマ化。時間を使い丁寧に描かれるので分かりやすいです。

 アンドロイドが有する人間性と共に人間との違いも克明に描くので、悲惨なアンドロイド達に共感しながらも人類視点を捨てきれません。

 この辺の葛藤やアンドロイドに対する恐ろしさは『Detroit:BH』より強く感じました。
 



以降はオマケ
 SF要素は無いんですが、プレイして思い出したので紹介。

コラテラル

コラテラル (字幕版)

コラテラル (字幕版)

 タクシー運転手の主人公は人当たりの良いビジネスマンに貸し切りを持ち掛けられる。彼は申し出を受け知らぬ内に暗殺の協力者となってしまう。 

 トム・クルーズ演じる暗殺者はプロ意識と信念に裏付けられた正確で迷いの無い殺しを見せます。それはまるでアンドロイドの様です。そこにコナー無双が楽しめるアラン隊長とのイベントに通じる物を感じました。

 コナーのアクション自体はジェイソン・ステイサムを思わせるんですけど、頭に浮かんだのはコラテラルだったんですよね。

 個人的にコナーは『機械のままでいる』と言う決意しただけで、本当は変異体なんじゃないかと感じています。

 

シンドラーのリスト

 ドイツ人でありながら多くのユダヤ人を救った実在する人物オスカー・シンドラーの行いを描く。

 ユダヤ人迫害という悲劇を背景に、人間が持つ複雑さが浮き上がってきます。数々の惨劇を目の当たりにして、徐々に変わっていくシンドラーの姿が見所です。

 リコールセンターで目につく小さなアリスの姿を見て思い出した作品です。3時間と長いので気軽にオススメ出来ませんが、見て損の無い名作です。


終わりに

 『Detroit:BH』では演じた俳優さんのウインク等のアドリブもゲームに反映されたそうです。どんどんゲームと映画の垣根が低くなっているのを実感します。今後も楽しみなジャンルですね。