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[ネタバレ]Bloodborne(ブラッドボーン)の上位者を考察してみた

 主人公は物語の冒頭から「青ざめた血」を求めてヤーナムを訪れている。物語を進めるに連れて求める「青ざめた血」を持つ者は「上位者」と呼ばれる存在だと分かってくる。

 今回も「元ネタ」探しから考察(妄想)してみた。ブラッドボーンのストーリーは細かい所は説明されない。パズルの様になっておりプレイヤー達が組み立て楽しむ代物だ。この記事はそんな楽しみ方の一つである。また、内容に誤りを含む可能性がある点も理解して頂きたい。

「上位者」の名を持つ者たち

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上位者の死血はまるで「宇宙」の様だ。


 作中に登場する「上位者」と呼ばれる者はそれなりの数がいる。先ずはそんな「上位者」を並べて見よう。



・姿無きオドン
・ウィレーム学長
・白痴の蜘蛛、ロマ
・メルゴーの乳母
・アメンドーズ
・星界からの使者
・ 星の娘、エーブリエタース
・月の魔物
・ゴースまたはゴムス
・メンシスの脳

 これ位で十分だろう。


 どうも「上位者」や「眷属」は姿に一貫性を持たない。血液の色も赤だったり白だったりバラバラだ。ここで疑問が出てくる。「上位者」と呼ばれるにはどんな存在になれば良いのだろうか、と。



ナメクジはテレポートする

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 この考察は軟体生物が一部の上位者と関係が深いと言う点から始まった。ブラッドボーンで登場している軟体生物。それはナメクジだ。これは「ナメクジがテレポートしてくる。」そんな逸話から来ているのだろう。


 ナメクジは次元を越える存在。ならば「上位者」とは四次元の世界の住人、または四次元空間に足を踏み入れた者達を示すと私は考えた。エーブリエタースがいる嘆きの祭壇で、肉塊と化した女王の時間を戻したと思われる描写もある。そう悪くない線だろう。

 アメンドーズが見えないのも。狩人が夢の世界で何度でも復活出来るのも。四次元空間からの干渉がその力の源泉ではないだろうか。本体がミイラ化しているミコラーシュも夢に保存されていた様子である。夢と言う宇宙を持つ存在が真の意味での「上位者」なのかも知れない。




私達と四次元空間

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 ビルゲンワースが行っていた神秘の研究=エーブリエタースの研究なのは間違いない。神秘のアイテムやビルゲンワースや教室棟からエーブリエタースの「眷属」を研究していた様子が伺えるからだ。ウィレーム学長は「眷属」が持つ四次元の力、つまり「時間と空間を操る力」を求めたと考えられる。


 四次元時空への入門を目指したのなら、脳に瞳を入れると言う表現も分かる。私達が住む三次元の世界は時間は認識こそ出来るが関与できない。時間が見れて触れる世界が四次元であり、三次元空間を好きなように操れ時間をコントロール出来る。私達が四次元空間に参入するには時間を視る目と手が必要なのだ。


 私達の目は三次元空間の表面、つまり二次元の情報しか得られない。「上位者」になるには四次元の目、三次元(中身)が視れる新しい目が必要になる。それを「瞳」と称したのだろう。

 これは同時に私達が四次元空間の存在と交信するには、体内を含めた3次元全体を使った表現が求められる事になる。一部の「上位者」はこちらに余り関心が無いように思える。

 それはそうだろう。私達で言う表情(二次元)を彼等は内蔵(三次元)も使って行うのだ。ジェスチャーにある「交信」も表面的な動きだけでなく、体内の状態と合わせて交信している可能性が高い。


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 メンシス派がヤハグルで呼び出した再誕者。メンシス派はバラバラにした人を繋ぎ合わせる事で、ゴースとの交信を試みたとも考えられる。



意識が世界を変える

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よく見ると「啓蒙」がナメクジに見えてくる。


 さて、ここで更なる疑問が出てくる。何故「啓蒙」と呼ばれる「上位者」の知識で四次元空間の世界へ入門できるのだろうか?これは量子力学の一説がその背景にあると思われる。


 有名な「シュレディンガーの猫」で説明される様に、量子力学では観測するまでは結果は決まらない。量子は波と粒子の性質を持つので粒子として観測するか、波として観測するかで結果が変わる。つまり、二つの結果が重なっていて観測するまで決定されないのだ。


 簡単に言うと「曖昧な状態」が存在すると考えて貰えば良い。


 この現象に対する解釈の一つに人間原理説と呼ばれる「観測者が世界を決定する」とした変わった説がある。「曖昧な状態」は人の「意識(観測)」によって定まる。そう、人の意識(決定)が世界の在り方を決めると言うのだ。当然だがこれを信じるのは少数派だ。

 
 ところが全くの空想とは言えず、実は量子脳理論と呼ばれる脳の機能に対する研究が存在する。

 人の視床はトランジスタ構造をしており信号の増幅を行っている。そして血液はヘモグロビン(鉄)を含んでおり、神経網(電気)と血管網(鉄)はコイルとしての役割を果たす。この両者の存在により脳は共振回路として働くことが解ってきた。

 共振回路とはラジオの様に特定の周波数だけを増幅出来る機構のことだ。この共振回路による干渉が、私達の情動(感情・魂)に関与している可能性が示唆されている。精神活動が量子力学により構築されているならば、強力な精神活動が物理現象に影響を与える可能性は否定できない。


 ブラッドボーンの世界が「人間原理説」を基盤にしたとすれば、「啓蒙」と言う上位者の知識で思考の次元を上げれば「四次元空間」に干渉が可能になるだろう。

 ゲーム中では「啓蒙」と「血」の両者無くして「上位者」への道は拓けなかったと思われる。狩人の血と瞳の力で主人公は月の魔物を倒し新たな上位者へとなったからだ。

 そう考えると、世界に干渉する手段としてウィレーム学長は知識と思考を使い「視床の働き」に着目した。更にローレンスは聖杯で得た血を使い「コイルの働き」にも注目した。そんな風にも捉えることが出来る。

 
 

心と量子力学の親和性

 ブラッドボーンで得られる情報は断片的であり、ヤーナムの歴史やストーリーの解釈は観測者であるプレイヤーに任されている部分が多い。そんな中で私は慣れぬ量子力学に着目した。


 量子力学の世界は哲学的である。量子力学の持つ「曖昧さ」と人間の心・魂の「曖昧さ」が良く似ているからだ。人は絶えず本能と理性の間で揺れている。そんな「曖昧な存在」を探究した宗教や哲学の考え方と量子力学の考え方が似るのは当然なのかも知れない。

 その為だろうか。意外と人間は空間と時間を操るファンタジーを素直に受け止められると気が付いた。人は心の在り方で時間と空間の感覚が変化するからだ。

 心で物理的な時間や距離は変わらない。しかし、楽しい時間はあっという間に過ぎ、苦痛な時間は長く延びる。他人との距離だって心の在り方で近くも遠くもなる。人の心は確かに当人の世界を変えているのだ。



 ブラッドボーンについて知ろうとすると「人間とは何か」を考える事に繋がっていく。そんな所がブラッドボーンの魅力なのかも知れない。 



オマケ
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プレイしていたら上位者による神隠しに遭った。




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