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[感想・評価]『Hellblade: Senua's Sacrifice』レビュー

鋭く尖った刃の様な作品

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 舞台はヴァイキングが栄華を極めた時代。プレイヤーはケルト人の女戦士『セヌア』となって恋人を救うために単身『ヘルヘイム』を目指す。
 北欧神話をベースとした重厚な世界観で表現される精神病の症状にプレイヤーは戦慄するだろう。



総評

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 『Hellblade(ヘルブレード)』は体験重視のウォーキングシミュレーターと呼ばれるジャンルに近い作品だ。
 映画的な美麗なグラフィックと優れた音響が支える凄絶な精神病体験には目を見張る。シンプルだが緊張感と爽快感がある剣戟アクションも刺激的だ。 
 欠点を挙げるとテンポを悪くするパズルと爽快だがプレイの幅が少ない戦闘イベントの2点だ。特に戦闘のバリエーションの少なさは勿体ない。
 価格を考えると贅沢な作品。是非国内PS4版も出して欲しい。 


以下ネタバレを含むので注意


美麗なグラフィックで描かれる世界

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 4Kが話題となるように美しいグラフィックで描かれるゲームは多い。『Hellblade』もフレームレートの低下と引き換えになるが美麗なグラフィックでプレイヤーをゲームの世界へ誘ってくれる。個人的には映像美を優先すべきだと感じる。

 特筆すべきは『セヌア』が見せる恐怖の表情とおぞましい幻覚の数々だ。リアルな幻聴と『セヌア』の反応を通じて病状がガンガン刺さってくる。

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熱演過ぎて見ていて怖い。

 プレイヤーはその映像と音響で表現された世界で印象的なシーンに幾度と出会うだろう。そして神話の世界が現実と症状の境を曖昧にしていくのだ。


シンプルで出来の良いアクション

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 『Hellblade』が採り入れた優れた剣戟アクションでは力強くスリリングな戦闘を楽しめる。中でも随所に現れる魅力的なデザインのボス達と対峙した時は格別だ。

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ボス戦の迫力には驚かされる

 パリィを主体とした戦闘に緊張感を与えるのが、繰り返す死により闇が『セヌア』を蝕みセーブデータの消去へと繋がる点だ。
 このシステムがプレイヤーに『セヌア』が感じる恐怖と同調させるのに一役買っている。

 
 やや残念なのがプレイの多様性がない事と少々戦闘が少ない点だ。その感覚に拍車をかけるのがルーンを探すパズルの多さである。

 もちろんパズルパートの中にも面白い場面は有るのだが、全体的に刺激が少なく退屈さと作業感を与えてしまっている。

 


丁寧に描いた精神病の表現

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 統合失調症をベースとした表現は巧みであり上質。ヘッドセットでのプレイを推奨するだけあって特に幻聴の表現が凄い。女優さんの迫真の演技と相まって本格的に辛い。

 耳元で囁くような声、蔑む声、命令する声と統合失調症の患者が悩まされる幻聴が聞こえてくるのだ。それも実際の聞こえ方を再現するバイノーラル3Dオーディオで表現されるので精神が削られる。

 プレイヤーは『セヌア』が感じる幻覚と恐怖を通じて、精神病を患う人達の苦しみや恐怖の一端を確かに体験できるだろう。

異端ながら傑作

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 アクションゲームとしての質を高めることは可能だったと思われる。しかしドキュメンタリーで語られるように精神病体験の質を高めることに注力したのは明らかだ。その結果として忘れがたい作品となったのは間違いない。
 
 『Hellblade』は『セヌア』が感じている不安、恐怖、怒りを確かに感じ取れる作品だった。映画の様なゲームが好きな人や精神病に興味がある人は買うべきだ。体験しないのは勿体無い。