4人協力プレイが楽しい『ヘルワーダー』
人気作品の『ダークソウル』や『ブラッドボーン』を感じさせるデザインが魅力のタワーディフェンスで、最大4人で協力プレイが可能。
攻めてきたデーモンを蹴散らし平和を取り戻せという、単純明快な物語で気軽に楽しめる。
インディー作品なのでモーションの種類やボリュームこそ控え目だが、ソウルシリーズが好きな人を楽しませたいという気概が伝わってきた。
ダクソ風デザインが最大の魅力
中世風ファンタジー作品の中でも屈指の人気を誇るソウルシリーズ。そのデザインやゲーム性は多くの作品に影響を与えてきた。
本作『ヘルワーダー』もその一つであり、キャラクターデザインにソウルシリーズへのオマージュが感じられる。
かつてダクソで共に戦ったフレンドとプレイすれば、「ダクソ楽しかったよなあ」と懐古すること請け合いである。
なにせ「お前、ダクソに居なかった?」と突っ込みが入りそうな奴らがチラホラ出てくる。ステージの最後に巨大なボスが出てくるのも、それっぽい。
甲冑や拷問器具を中心としたダークファンタジーらしいデザインが好みなら十分楽しませてくれる。
終盤に感じる難易度調整の難しさ
ゲームデザインとしては奇をてらわない王道。アクションゲームとしてもタワーディフェンスとしても、無難な出来に仕上がっている。
アクションゲーム担当となる3人のキャラクターはアビリティを使いながら、ピンポイントで火力を出して防衛線を補佐する役割を担う。
もう一つの主役が防衛線を張る近接・遠距離・魔術に分けられたユニットである。
戦線維持の近接ユニット、広範囲をカバーできる遠距離ユニット、足止めや弱点を突く魔術師ユニットを組み合わせ、攻寄るデーモンたちから防衛目標を死守するのだ。
プレイ感覚としては、ユニット配置し三國無双の如くボタン連打で敵を蹴散らす爽快感重視のアクションゲームだった。
問題はバランス調整である。タワーディフェンスの難易度調整は敵の種類を増やす、量を増やすが王道の手段だ。それを多彩なユニットを用いて迎え撃つのが醍醐味である
しかし終盤に差し掛かるとアイディアが枯渇したのだろう。敵デーモンの追加は強化版が目立つようになり、この辺りから配置を考える楽しさより面倒くささが勝ってくる。
デーモン達はダクソの周回プレイの如く、より硬く、より速くなって雪崩れ込んでくる。
ところが残念ながらダクソの様な学習による楽しさは乏しく、失敗が続くと徐々に徒労感が出てきて面倒になってしまう。
素材は悪くないが、終盤でプレイヤーの意欲を高める歯車が一つ足りなく空回りしているのが惜しい。
フレンドとやれば楽しいを地で行く作品
なんだかんだフレンドと一緒に騒ぎながら遊ぶには悪くないゲーム。何分、手軽にフレンドとCOOPを遊べる作品は少ない。
晩酌片手に談笑しながら遊ぶゲームを求めるなら、本作は十分役割を果たしてくれるだろう。
残念なのは4人COOPなのにプレイアブルキャラが3人しか居ない点。クリスタルを守る女性キャラクターをプレイアブルキャラとする予算が尽きたのだろうか。
おっぱい魔術担当で彼女が参加していれば、また違った評価に繋がったかも知れない。つくづく惜しい。