生態系の頂点に機械が君臨する世界
- 出版社/メーカー: ソニー・インタラクティブエンタテインメント
- 発売日: 2017/03/02
- メディア: Video Game
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総論
機械生物・恐竜・廃墟などなど。数々のロマンを目一杯詰め込んだ作品。
アクションはシンプルながら魅力的な機械の獣たちが狩りを彩り、映像だけは凄いと呼ばれるゲームで終わっていない。
飛び抜けて凄い所はないが、分かりやすい楽しさを提示している良作。
想像以上に狩猟が楽しい
戦闘はシンプルで弱点を探し攻撃を当てるだけである。こう記すと簡単そうに見えるが、野生を感じさせる機械の獣たちは素早くて獰猛だ。
初見の獣と向き合う緊張感と倒したときの興奮は、プレイヤーの狩猟本能を刺激してくれる。
機械の獣は生半可な攻撃だと足を止められないし、一瞬の油断で大きく体力を削られてしまう。そこで真っ向勝負を避けステルスで虚を突くなどの工夫が必要になる。
その他にロープで拘束したり罠に掛けて動きを止めるのも良い。オーバーライド(機械の獣を味方に出来る)して味方を増やすのも手だ。
緻密な破壊表現の描写が成されており、獲物に激戦の証が刻まれるのが堪らない。
圧倒的な分かりやすさ
王道の美味しいネタを詰め込んだ形のホライゾン。似たような「映像は凄かったけど、話は良く分からなかった」と言われてしまうSF作品には度々出会う。
しかし、ホライゾンは無知だが聡明なアーロイが簡潔に説明してくれるので分かりやすい。むしろプレイヤーは機械文明に関してアーロイより知識があり、先に彼女が抱いた疑問の答えに辿り着くことすらある。
さらに異端児として浮世離れしているアーロイとプレイヤーの感情が一致しやすいため、世界観や物語の流れがすんなり頭に入ってくるのだ。
フォトモードが冴え渡る
このゲームは相当フォトモードに助けられている実感がある。フォトモードが些細な文句を吹っ飛ばしており、撮影したくてゲームしていると錯覚するほどだ。
長所と欠点は表裏一体であり、シンプルな戦闘システム故に早い段階で狩りに使う要素が出揃ってしまう。そのため戦闘の多様性は機械の獣たちの個性に依存する形になる。特に武器や防具のカスタマイズは単調で武器収集などの魅力は少ない。
また、サブクエスト等のお使いも手間を考えると少し魅力に欠ける。移動と戦闘を促す要素として割り切れば問題無いのだが、水増し感が否めない代物も少なくない。
その他にも視点の移動速度が変更できない点などシステムの荒らさも目立つ。新規IPらしく洗練しきれず痒い所に手が届かない部分が散見されるのだ。
それでも止め時が分からなくなるのは、美しい瞬間を切り取りたい欲求が沸き上がるからだ。この欲求は原始的な物なんだろう。スクリーンショットを撮るだけで楽しいゲームは、そう多くない。