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[感想・評価]バットマン : アーカム・ナイト~ゴッサムの夜空を駆けるオープンワールド~[レビュー]

これぞバットマン体験

 映画でも高い評価を得ている人気キャラクターであるバットマン。そのダークヒーローの魅力を引き出した人気ゲームの最終章で、PS4に最適化されたゲームの凄まじさを感じる作品。本レビューはどちらかと言うと新規の人向けに書いている。

バットマン:アーカム・ナイト - PS4

バットマン:アーカム・ナイト - PS4



総評

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 王道の進化を続けたアーカムシリーズ最終作。映画にも負けないゲームとして記憶に残る出来栄え。

 キャラゲーの枠を壊したと高い評価を得たアーカム・アサイラムで誕生した「バットアクション」。続くアーカム・シティではオープンワールドを縦横無尽に飛ぶことで、バットマンの新たな魅力が引き出され更なる評価を得ることになる。
 そしてシリーズ最後となるアーカム・シティでシリーズの長所はより洗練された。より美しい映像・より広いMAP・より大人数の戦闘・プレイの安定性。その全てを同時に成し遂げたのだ。

 欠点を挙げるとしたら二つ。一つ目はバットモービルを使ったミッションの多さ。新要素であり十分に活かせてない印象を受ける。二つ目はシリーズのファンとしては残念で仕方ない吹き替え。ただ一定の水準は保っているので新規のプレイヤーには大きな問題にはならないだろう。

 追記:アップデートで英語音声+日本語字幕で楽しめる様になった。これで吹き替え派も字幕派も幸せ。


最大の売りは高い安定性

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 驚きなのが広大で美しいゴッサムの街をオープンワールドで作り上げておきながら、安定したフレームレートを保ち滑らかなプレイを楽しめる。そして信じられないことにロード時間をほとんど感じることが無い。プレイしていて殆どロードが気にならないのだ。CMの「没頭マン」の意味も分かる。

 完成度の高いシリーズでありゲーム性の拡張に限界が囁かれていたので、快適なプレイに着目したのだろう。これは地味ながら大事な要素だ。存分にネオンの輝きが美しいゴッサムの夜景を堪能でき、PS4に最適化されたゲームの可能性を感じる。



完成度の高いバットアクション

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 バットマンは鍛え上げてた肉体と最新鋭の技術で作られたスーツやガジェットを駆使して戦う人間だ。そう、決して超人ではないのである。武装した犯罪者と絶えず真っ向勝負を行うのは困難であり、映画と同様に忍び寄り奇襲して犯罪者を無力化するステルスプレイが中心となっている。
 ステルスプレイで全員を無力化するも良し。数を減らしてバサッっと登場して真っ向勝負するのも良し。思い描くバットマンの戦いができる。ちなみに私は敵を吊るすのが大好きだ。

 基本のシステムはアーカム・アサイラムから変わっていない。手軽さと奥深さを両立させた優れたシステムだ。戦闘では相変わらず簡単な操作で格闘ゲームの様な魅せるアクションが楽しめる。タイミングよくボタンを押すだけで画面の中のバットマンが華麗に舞ってくれるのだ。
 しかし、高得点を狙うと話は変わる。リスク管理をしながら様々な技を駆使しコンボを繋げる必要があり単純ながら奥深い。

 新規要素であるサイドキックと二人で戦うデュアルプレイ。他のキャラクターと切り替えながら戦えるのは楽しいのだが、新規要素として売りにするならもう一味欲しい所。


ゴッサムを駆け巡るバットモービル

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 より広大となったオープンワールドは移動にストレスを与えることにも繋がる。その対策の一つとなるのがバットモービルだ。退屈になりがちな移動を、その速度感と障害物を壊し乗り越え走る姿で楽しませてくれる。何よりその男心をくすぐる「変型」が凄い。細かいところまで作り込まれたバットモービルが姿を変えるのは圧巻だ。正に第二の主人公である。
 
 最大の見せ場となるアーカム・ナイトが従えるドローンとの戦闘も、変型後の戦車モードの操作感が良いので単調ながら楽しい。特に体当たりで敵を倒せるのは爽快である。圧倒的なパワーと華麗な変型を魅せてくれるバッドモービルは男のロマンの塊だ。

 ただ新要素なのでちょっと粗削りではある。ミッションでは「そんな所にまで持っていくなよ」そう思うことも多い。そして操作に慣れるまでは若干の苦痛を伴うので、リドラー(ヴィランの一人)に運転技術をバカにさせるためかと邪推してしまう。

 追記:バットモービルは主観での操作を推奨。操作性と迫力が段違い。ミッション内容に合わせ使い分けると幸せになれる。


 最大の問題は本作のオープンワールドは縦に伸びているので、建物を登り滑空し「ゴッサムの夜空」を感じる方が移動の楽しみ方として適している。やはり夜空を駆けてこそのコウモリなのだ。



バットマンを知らなくても楽しめる

 ストーリーの大筋はバットマンをよく知らなくても十分楽しめるだろう。しかし、ファン向けの細かい部分や登場キャラクター達に関しては別である。ストーリー上では余り説明してくれないので、バットマンとの関係性などにちょっと戸惑うかもしれない。
 一応キャラクターに関する資料はゲーム中で確認できるが、前作をプレイした方が良いのは確かである。操作に関してもチュートリアルやヒントはあるが、幾つかの操作に関しては丁寧とは言い難い。

 その反面、マンネリ気味と評されるゲーム性に関しては、従来のファンより新規の人こそ新鮮で楽しめるだろう。バットマンらしく振る舞うだけで格好よくプレイできるシステムだ。簡単な操作で映画の様なシーンが山ほど見れる。
 海外の人気キャラクターであり、やり込み要素を除けば難易度もそこそこ。プレイヤーをバットマンファンにさせてくれる丁寧な作りのゲームなので、シリーズ物だが飛び込んで欲しい。



最後に

 素晴らしいゲームだけど色々とケチがついた作品。PC版の調整不足は大きな問題であるし、従来のファンを切り捨てるかのような雑なローカライズには私も不満がある。ウッチャー3の後なので尚更だ。熱狂的なファンも多いのでAmazonで☆1を付けたくなるのも良く解る。ゲーム内容以外の問題でシリーズの有終の美が飾れなかったのは残念でならない。




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