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原作小説『ウィッチャー』3巻の感想~炎の洗礼~

ゲラルトと奇妙な仲間の冒険記

 前回は1巻と2巻同時刊行と言うこともあり、ネタバレ控えめで記しました。今回からは気にせず書いていきます。

 1巻が過去の大戦である『ソドンの戦い』の説明がメインであったのに対し、2巻は物語の転機となる『サネッド島の反乱』が描かれました。

 2巻では小説におけるゲラルトのライバルとなるヴィルジフォルツの強さが見られました。なんとゲラルトが手も足も出しては叩き折られると言う体たらく。

 ゲラルトの「ミスは無かった」と言う評価からも彼が扱う魔法の強さが伺えます。重傷を負ったゲラルトはブロクリオンの森で傷を癒すことに。


 3巻はブロクリオンの森からゲラルトが旅たつ所から始まります。

ウィッチャーIII 炎の洗礼 (ハヤカワ文庫FT)

ウィッチャーIII 炎の洗礼 (ハヤカワ文庫FT)


ゲラルトと愉快な仲間たち

 3巻では前巻の終わりで起きた戦争が与える影響が描かれます。ブロクリオンから出たゲラルトはダンディリオンと共にシリを救いにニルフガードへ向かいます。

 そして後を追ってきたミルヴァと合流し、戦禍で起きる略奪と虐殺を目の当たりに。

 その後は陽気なゾルタンや冷静なレジスと仲間になりながら、戦争の被害者が疲弊し人間性を欠いていくシーンが幾度と描かれます。

 一応中立であるゲラルトが主人公なので戦争の描写より戦争被害者の描写が多いですね。その割にはゾルタンやダンディリオンのお陰で明るい雰囲気でした。


女魔術師会の発足

 今回情勢として重要なのは女魔術師会の発足でしょう。『サネッド島の反乱』で魔法院と評議員が崩壊したのを憂いたフィリパは、女性だけの結社を発足させました。

 ここでの話し合いは面白かったです。人間より遥かに長い寿命を持つ魔女とエルフの視点で語られる意見に感嘆します。

 1巻で語られた若い世代を失ったエリレンの失敗もそうですが、物語の背景に厚みがあり説得力がありますね。

 ここで語られるシリを王座にと言う女魔術師会の目標が、『ウィッチャー3』のエンディングの一つとして繋がるのも驚きでした。

 原作の空気の再現といい『ウィッチャー3』は本当に原作を大事にして作られたと実感します。


リヴィアのゲラルト

 個人的には『リヴィアのゲラルト』が顧客の信頼を得るために、適当に決めたと明かすのが面白かったです。えええ!そんな適当な話だったのか!と驚きました。

 ゲラルトは乗る馬全てをローチと呼ぶ様に名前に無頓着なのかも知れません。そう言うダンディリオンの愛馬の名ペガサスもいい勝負な気がします。


 その後、偶然メーヴ女王を助けた功績で晴れて正式に騎士『リヴィアのゲラルト』になりました。
 このシーンは『グウェント』のキャンペーン『奪われし玉座』にも登場しそうです。


印象的な登場キャラクター達

 炎の洗礼が意味する贖罪がテーマにあり、情勢としての動きは少なくキャラクターの掘り下げが中心でした。
 様々な立場の人間と種族が登場し『ウィッチャー』の世界観を説明してくれるので分かりやすいです。
 『ウィッチャー3』で出てくるキャラクターも多く楽しく読めました。

 

ヒロインのミルヴァ

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 ミルヴァは弓の名手でブロクリオンの諜報員をしていた人間。当初はイースネに頼まれ嫌々ゲラルトに協力していたが、とある理由から旅の道連れになります。

 冒頭から終始出ずっぱりのミルヴァ。『ウィッチャー3』では登場しないので、『グウェント』で謎のゴールド枠でしたが納得。気っ風が良い女性で読んでいて気持ちが良いです。

 ちなみに私は『ウィッチャー3』のカードイラストの方が好きなので、彼女だけそちらにしています。

盟友ゾルタン

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 私の中でゾルタンの株が上がりました。明るく前向きで現実的。ダンディリオンと気が合いそうです。

 ゾルタンの台詞は名言多いですね。彼の人生観は筋が通っていて印象深いです。利他主義の下りは後に告白した強盗にも通じます。
 
 別れ際に罪を告白し忠告を与えるゾルタン。綺麗事だけじゃ生きていけない時代。ゲラルトは罪を咎めず忠告を受けとります。

 ゾルタンはゲラルトの生き方に影響を与えた盟友なんですね。

意外な活躍のカヒル

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 以前から少し出番はあったのですが、本格的な活躍はこれが初。準主役級の活躍で驚きました。これからの活躍も楽しみです。

 『グウェント』で父シラクに愚かな息子と呼ばれていたので、こんなにスマートで爽やかな男だと思いませんでした。人気があると聞いていましたが納得です。

 ちなみに魔術師のアシーレはカヒルの姉です。彼女も女魔術師会の一員だったのですね。


上級吸血鬼レジス

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 博識であり解説役を兼ねているレジス。どこか他人事に感じさせる達観した考え方で流石は吸血鬼。伊達に長生きしてません。

 レジスは『血塗られた美酒』に登場しています。そこで上級吸血鬼の強さは目の当たりにしているので、ゲラルトが恐れるのも分かります。

 『ウィッチャー3』最後の冒険を供にしたレジスは私のお気に入りです。原作を読んでから『ウィッチャー3』をプレイしたかったとすら感じます。
 


4巻はシリが主役

 ニルフガードにいるシリが偽物だと判明し、物語の
は再びシリを中心に動き出す。
 そして盗賊団に身を寄せているシリにニルフガードの魔の手が忍び寄る。果たしてゲラルトはシリを見つけられるのか?
 遂に登場したシリの宿敵ボンハート。二人の戦いが楽しみです。