人生はFPSゲーム。時々哲学。

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『ゴッド・オブ・ウォー』が面白いワケ

満足感があった『ゴッド・オブ・ウォー』

 『ゴッド・オブ・ウォー』は面白かった。しかし何が面白かったのか説明するのは難しい。

 一言で表現すると満足感があった。これだと思う。期待に応え、時に越えていく。そんなシーンが多かったのだ。

 ここでは演出とQTEの面白さを中心に書こうと思う。ネタバレ注意。

最近映画じゃ物足りない

 話は変わるが『パシフィック・リム:アップライジング』を見た。

 前作で物足りなかったイェーガーの共闘シーンも贅沢に描かれ面白かった。ストーリーも悪くなかった。むしろ前作より好きだ。

 しかし、物足りない。何か足りない。そんな感覚が残ってしまった。その理由は二つある。

 一つ。もう少しだけ戦闘が見たかった。特にラストも全員で戦う時間がもう少し欲しかった。前半戦が良かった分だけ、後半戦であっさり締めに入ってしまって物足りなかった。


 二つ。BGM仕事しろ。はい、ここから見せ場です!皆準備してね!と言わんばかりに前作のテーマ曲を流して欲しかった。あのテーマ曲が少なくて肩透かしに感じたのは私だけだろうか?


 いや。贅沢な要求なのは分かってますよ。映画に連続ドラマとかゲームの様なボリュームを求めちゃいけない。それでも比較してしまうのが人間ってもんです。


王道の中で光る意外性

 話を『ゴッド・オブ・ウォー』に戻そう。つまりだ。私は『ゴッド・オブ・ウォー』の見せ場におけるボリュームと演出に満足したのだ。

 十分に戦闘を楽しんだ後にカットシーンに入り、ここからがクライマックスです!と提示される分かりやすさ。そして度肝を抜くクレイトスの戦いっぷり。完璧だった。


 例えば中盤のドラゴン、ハラーズリールの巨体に驚き、それをねじ伏せるクレイトスに震えた。

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 どっちかと言うとクソ親父だったクレイトスだが、締めであの背中を見せられたらアトレウスと一緒に父上すげえええ!となってしまう。

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作中で最も好きなシーン


 バルドルとの戦いも素晴らしかった。あのクレイトスが終始劣勢だった強敵だ。それを成長したアトレウスと共闘し打ち破る。

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怒濤の連射に痺れた


 『ゴッド・オブ・ウォー』はお約束の展開で私の期待に応え、血潮燃えたぎる熱い展開で予想を越えてくれた。



全てが繋がるラスト

 普段の戦闘シーンも含めQTEによる決め技が素晴らしい。男は拳よ!と言わんばかりに殴る殴る。とにかく痛そうなのが良い。殺意に溢れる連激の数々。斧を叩きつけ、殴り、蹴る。

 筋力こそ違うが誰にでも出来る暴力の形だ。これが魔法やら必殺技(笑)なんかだと台無しだったかも知れない。

 極めつけがラストのバルドル戦だった。馬乗りになり顔を殴り付けるシーンでは、画面上の指示なしで自然とR1とR2を押していた。

 それまでに幾度となく敵を殴ってきたクレイトスと私だ。言われなくても殺り方は分かっている。

 この時きっと私はクレイトスと一体化していた。積み重ねてきたQTEの経験が集約し、拳を振り上げるクレイトスに動かされてしまった。

 ここでメインディッシュであるゲーム体験はピークに達し、そこからエンディングで明かされるアトレウスの秘密でノックアウト。


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満ち足りたゲームだった