撮影はゲームプレイに含められるか
近年フォトモードが搭載される作品が増えている。確かに美しいグラフィックを堪能する上でフォトモードは嬉しい機能である。しかし、フォトモードで撮影を楽しむことは『ゲームプレイ』の一部として評価して良いものだろうか。
記録に残す喜び
観光旅行と同じようにゲームの思い出を記録に残せるのは嬉しい。気が付くとゲーム画面を保存するのも一般的になった。そこで登場したのがフォトモードである。
調べたところ2004年にPS2で発売されたグランツーリスモ4が最初の模様。ゲーム中で再現されたリアルな車を撮影できる機能はファンに好評だったようだ。
フォトモードの登場は高グラフィック化に理由を与えてくれた。実写さながらのフォトリアルな映像だけでなく見過ごされそうな細かい演出や描写も、自由に撮影できるフォトモードがあれば価値を提示できる。
例えば『アンチャーテッド4』はその典型だろう。写真映りの良い風景やシーンをふんだんに用意し、キャラクターの細やかな表情にも力を入れている。これならフォトモードでの撮影にも力が入ると言うものだ。
実写かと見間違える様な『アンチャーテッド4』のグラフィック
さて、問題はカメラ素人にとってフォトモードは、本当に魅力ある要素となり得るかという疑問だ。
写真が下手クソでも楽しいか
フォトモードは高機能で露光や絞りからフィルターと言った本格的な加工が出来てしまう優れものだ。だからこそ知識も技術も無いゲーマー諸氏からすれば、フォトモードは明らかにオーバースペックである。
現代アートの魅力に溢れる『バウンド:王国の欠片』も大分細かく設定できる。
特に美しい風景は立ち止まってスクリーンショットを保存するのと差を出せない。むしろ美しく見える様に配置されている風景を、カメラ素人がフォトモードで弄くる方がリスキーだ。
『 Everybody's Gone to the Rapture –幸福な消失–』は立ち止まってスクリーンショットを撮影するだけでも十分。
カメラ素人からすればフォトモードは知識とセンスの無さを突き付けられる余計な代物になりかねない。
その点で自分は『アンチャーテッド4』は確かに綺麗だが撮影が余り面白くなかった。
綺麗に撮る知識や編集技術があれば別なんだろうが、残念ながら自分はそれを持ち合わせてない。だからフォトモード?ふーん。となってしまう人の気持ちも分かる。
その点じゃ勝手に記念写真を撮ってくれるFF15のシステムは面白い。クソ写真から奇跡の1枚まで全ての責任をプロンプトが負ってくれるから笑いになる。
ではカメラ素人にフォトモードは無用の長物かと言えば、そんなこともなく確かに輝く瞬間がある。それがゲームプレイの一瞬を切り取ることだ。
撮影がゲームプレイを変える
ゲームプレイの撮影は風景と違い他者と差別化がしやすい。特に失敗シーンに撮影価値が生じるのは面白い変化だ。
例えばダメージを受けた瞬間。誤って落下した瞬間。攻撃を外した瞬間。ゲーム下手と呼ばれる様な非効率的なプレイや失敗も『楽しい瞬間』に変えられるのだ。
私がプレイした作品にもフォトモードが搭載された作品は多い。その中でフォトモードが楽しかった作品は『Horizon Zero Dawn』と『バットマン:アーカムナイト』この二つ。
マントを翻し戦うバットマン。そして装甲から火花を散らし戦う機械の獣たち。フォトモードで切り取った一瞬に、彼らを生み出すために費やされた情熱を確かに感じるのだ。
特に『Horizon Zero Dawn』は雄大な自然、迫力ある機械の獣、凛と美しいアーロイと撮影対象が豊富で、どんどん撮影欲を刺激してくれる。そのお陰で遅々として本編が進まない程である。
撮影はゲームになり得た
魅力的な一瞬を切り取りたい。その願いから撮影を前提としたプレイを行ったら、フォトモードもゲームプレイの一部と呼んで差し支え無いだろう。
Twitterなどで素晴らしいスクリーンショットが流れてくると、カメラや撮影が趣味である人の気持ちが分かる。あれだけ美しく撮れるならカメラも楽しいに違いない。
カメラマンによる「Horizon Zero Dawn」百景。充実のPhoto Modeでスクリーンショット撮影がたいへん捗る https://t.co/BWPLZyrL3z pic.twitter.com/831kfRcSZc
— 4Gamer (@4GamerNews) 2017年3月24日
撮影のコツを纏めてくれている。参考にしたい。
今後もフォトモードが搭載されるゲームは続々と出てくるだろう。自分も撮影の基礎くらいは勉強しておきたいと感じる次第だ。
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