読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

人生はFPSゲーム。時々哲学。

 FPS特にCoDやBFが中心。 その他のPS4ソフトやVRゲームの感想・レビューや雑談なども記事にしています。 詳細はプロフィールへ。

ファンの期待に応えた『バットマン:アーカム VR』レビュー

ファンの夢を叶えるアーカムVR

f:id:K456:20161013163619j:plain
 究極のバットマンゲームを提供し評価が高いアーカムシリーズ。アーカムVRはその最後を飾るに相応しい体験だった。そりゃあ問題点は幾つも感じたし決して完璧な作品ではない。

 全てを楽しむには1本5000円するモーションコントローラー『PS MOVE』が2本も必要だが、その割には『PS MOVE』が無くても大丈夫な場面も多い。何より1時間ほどで本編は終わってしまい、後はギャラリーとリドラーチャレンジを楽しむ位だ。

 それでも映像のレベルが高くVR体験は上質で多くの人が満足できる作品だろう。バットマン体験を堪能できる印象的なシーンは多いし、VR空間で存在感のあるキャラクターやビークルを眺める楽しさは格別だ。

 コントローラーを持っているなら買って損は感じないだろう。バットマンやシリーズのファンなら尚更だ。

 アドベンチャー風のアーカムVRはアーカムシリーズのもう一つのエンディングとも言え、少なくとも私はアーカムVRの体験を気に入っている。シリーズのファンは是非体験して欲しい。

 以下はネタバレありの感想。特に最後はストーリーの結末に触れるので注意。


まずバットマン体験を楽しむ

f:id:K456:20161013165656j:plain
 何が素晴らしいってシーンのセレクトが良い。コイツ、分かってるな!とにやける位だ。流石はアーカムシリーズを作った人達である。

 バットマン誕生の切っ掛けとなる両親のシーン。バットスーツ着用のシーン。バットマンならではの体験だろう。

 特に幼いブルースの視点で悲劇を体験させてくれたのは大きい。幼いブルースを守る母親。その陰から頭を出すと荒ぶる強盗の姿が見える。そして訪れる悲劇。子供の頃は全てが大きく見えたな…と思い出してしまった。 


f:id:K456:20161019021135j:plain
あの銃を突きつけられるシーンは銃社会に生活する人には衝撃だったのではなかろうか。


徐々にアーカム体験へ

f:id:K456:20161016152334j:plain
 バットマンと言えばガジェットを駆使したアクションなんだが、残念ながら酔いやすいVRとは相性が悪いので移動はワープとなり自由に動けはしない。
 特に戦闘らしい戦闘も無いく特定の場所に立って見回し、幾つかのオブジェクトに干渉するアドベンチャーになってしまった。

 当然これじゃあバットマン体験として面白くない。だから巧妙にバットマン体験からアーカム体験へとすり替えてきた。アーカムシリーズであったガジェットを利用した捜査モードのVR版を楽しませようと言うのだ。

 これは実に楽しい物だった。バットマンと共に仮想空間で現場検証し被害者の遺体から証拠を探す。これこれ!アーカムナイトでやった!となること請け合いだ。


f:id:K456:20161016151152j:plain
こだわりを感じる体内の描写にびっくり。思わず全身をくまなく見てしまう。


 全体的にPSVRのローンチ作品は特定の層にガツンと刺さる作品を揃えた印象で、アーカムVRに限らずちょっと評価に贔屓が入りやすいとは感じている。この辺はアーカムシリーズを遊んでない人の評価が気になるところだ。
 


 以後はストーリーのネタバレなので閲覧注意。









起こりえた、もう一つの世界

f:id:K456:20161016153232j:plain
 物語はアーカムシティ以後から分岐したもう一つの世界だろう。アーカムナイトとは別の事件が起きる。頼りになるサイドキックの失踪。殺された目撃者。ブルースは事件の真相を探る。

 仲間の死を乗り越え証拠を探り辿り着いた答え。それは宿敵ジョーカーの仕業だった。ただし、アーカムナイトと同様に死してバットマンの中に宿ったジョーカーだ。


f:id:K456:20161016153559j:plain
アーカムナイトでジョーカーに抗い続けたブルースの姿はそこには無い。


 この結末には驚いた。ナイトウィングの死も衝撃だったし犯人がバットマンだとは思わなかった。そりゃあアーカムナイトをプレイしたら容易に想像できる内容ではある。

 でもさ。ヒーローを体験させるゲームでヒーローが仲間を殺すとは思わないでしょ?バットマン体験としてはやっちゃダメでしょ!

 だけど。アーカムシリーズのファンとしては、ジョーカーに支配されたと気付いたブルースの恐怖を体験するなんて歓喜感激だ。特に自分はジョーカーも大好き。だからジョーカーがバットマンに勝利する結末も嬉しかった。

k456.hatenablog.com


 ナイトウイングを殺したのは自分自身。ロビンを罠に嵌めたのも自分自身。その事実を突きつけられて最後に精神の牢獄にブルースは幽閉される。そして、アーカムナイトと真逆の形でジョーカーがブルースに勝利するのだ。

f:id:K456:20161016153623j:plain
最凶のジョーカー感染者が誕生した瞬間である。


 鏡に映るバットマンがジョーカーに変化するまでの一連の過程は最高だった。ブルースが過去を振り返り事実と直面する恐怖をプレイヤーが背後を見る形で表現したのはVRならではだろう。
 

 アーカムVRはシリーズの最後だからこそ描かれたヒーローの敗北。アーカムそしてジョーカーファンへのプレゼントである。