シリーズ4作目となる最高傑作
シリーズ4作目となる最終作。結婚し引退したネイトの前に現れた兄。彼はかつて二人で求めた海賊の財宝を再び探していると言う。そして平凡な毎日に物足りなさを感じていたネイトの新たな冒険が幕を開ける。
総論
有終の美を飾る最終作。PS4の能力を十分に引き出した美麗なグラフィック。プレイヤーを引き込む数々の演出。より自然に見える細かなモーション。全てが合わさり極上のゲーム体験となっている。
マルチ対戦のバランスも素晴らしく地味ながらも奥深い対戦が楽しめる良作。この安定さはマンネリと紙一重ではあるが、映画的ゲームの代名詞ともなったシリーズの締めに相応しい品質。
冒険し記録する楽しさ
アンチャーテッド4はネイトの人生振り返りながら海賊の宝を追っていく冒険旅行だ。ネイトの人生と内面に迫った本作は単なるアクション映画風であったシリーズから脱却したと言えるだろう。ならばゲームプレイに関してはどうだろうか。
シリーズで何度となく見たネイトが「ヤベ、ヤベヤベ!」と叫ぶシーン。アンチャーテッド4でも大筋は大差なく、プレイの中心は相変わらず壁を登り銃を撃つこと。そして派手に物が壊れる映像である。シリーズを通して際立った変化は少なくファンにはマンネリ感がある。
そのマンネリを打破したのは冒険を記録する事だった。アンチャーテッド4にはネイトと共に未だ見ぬ秘境や遺跡を巡り、心が命じるままにスクリーンショットを撮り冒険劇の一部を切り取る楽しさがあった。
製作サイドが魅せる構図を用意しているので手軽に美しい絵がどんどん撮れ、フォトモードで自分がカメラマンになったかの様な感覚が得られる。
追求された空間の表現
アンチャーテッド4の凄さは空間表現にある。作中で表現される空間はとてもリアルなのだ。だからこそプレイして記録する楽しさが成り立つ。
この手の映画的なゲームで重要なのは『本物みたい』と思える一瞬だ。松明の炎が見せる揺らぎ、羽ばたいた鳥に対する反応、崩れ落ちる石の挙動。自身の操作に対してゲームが見せるリアルな反応がアンチャーテッドの世界に説得力を与えている。
だからこそ人間離れしたネイトの冒険が楽しい。リアルに表現された世界の中で、あり得ない冒険をするネイトに興奮するのだ。
地味だが熱中できるマルチ対戦
本編が終わってもアンチャーテッド4ではマルチ対戦も楽しめる。今後配信される追加MAPが無料なのも嬉しい。
マルチ対戦は高い体力と蘇生の存在によりチーム戦を強く意識させるシステムだ。蘇生が可能なのでチームで動き互いにフォローしながら戦う必要がある。
本作のマルチ対戦で中核をなすのが購入アイテムだ。購入アイテムは特殊効果を持つ「秘宝」・グレネード等のサポートアイテム「ギア」・AI制御のサポートキャラ「サイドキック」・高い火力の「ヘビーウェポン」の4種ある。
味方のサポートに長けた「秘宝」や「サイドキック」を駆使すれば敵を倒す以上の貢献も出来る。また、使うごとに購入コストが上がるので、CoDのキルストリークの様に強い人が際限なく有利になら無いのも好印象。
クラスカスタムは武器・購入アイテム・ブースター(スキル)の中からポイントを割り振るスコア制をとっており、プレイヤーの好みに合わせたカスタマイズが可能だ。
積極的に購入アイテムを利用するも良し、ブースターでプレイヤー自身を強化するも良し。カスタマイズの幅は広い。
派手さは無いが基礎部分のバランスが良いTPSシューター。初心者でも撃ち合う楽しさを味わいやすい物に仕上がっている。
難点はアンロックが面倒な点。類に漏れずプレイし続けてくれるファンを優遇する意図があるようだ。ゲーム内のストアにて宝箱を購入することで、アンロック要素を手に入れる事も可能だが少し不満は残る。
コスチューム等は凝っていて面白く集め甲斐がある。
有終の美を飾る作品
アンチャーテッド4は優れた脚本と演出で映画的なゲームとして振る舞いながらも、そのリアリティある映像により冒険体験を与えることに成功している。
槍玉に上げられるゲーム性を求める人はマルチ対戦をどうぞ、と言った所だろう。本編となるネイトの物語はこれで良い。
ネイトの物語は終わってもマルチ対戦での活躍は続く。初心者用のルールもあるので興味がある人はマルチ対戦もプレイしてみてはどうだろう。
- 出版社/メーカー: ソニー・インタラクティブエンタテインメント
- 発売日: 2016/05/10
- メディア: Video Game
- この商品を含むブログ (3件) を見る