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[感想・評価]毛糸の猫の冒険を描く『Unravel』レビュー

毛糸の猫ヤーニーの小さな冒険

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 写真の世界を冒険し思い出の欠片を繋いでいく毛糸のヤーニーが主役の、豊かな自然を感じられるステージが魅力的なアクションゲーム。
 糸などを解きほぐすという意味のUnravel(アンラベル)。解きほぐすのはプレイヤーの心だろうか。


総論

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 愛らしいヤーニーを操作するのが楽しい作品。絵本の様な世界を写実的な映像で描いているのが特徴。パズルアクションの難易度や収集要素は程々であるシンプルなゲーム。
 ゲーム性に目新しい物は無いが、自らの体を構成する毛糸を使って赤い糸を繋げていく主人公ヤーニーのキャラクターが良い。


ヤーニーが可愛すぎる

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 細かい動きにも拘っており愛らしさ溢れるヤーニー。その小さな体を構成する毛糸を駆使した冒険劇が楽しい。

 頻繁に現れる身近な道具がヤーニーのサイズを感じさせてくれる。小さなヤーニーにとって少しの段差や小動物も十分な障害。それを懸命に乗り越えていくヤーニーを見ていると、どんどん応援したい感覚になってくる。
 頑張れヤーニー!負けるなヤーニー!


パズルアクションとしては平凡

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 毛糸を引っ掛けて登ったり、振り子運動で遠くにジャンプするよく見る物理演算のアクションゲーム。
 そこに毛糸の長さに制限を与えることで、移動の順番を考えるパズル要素を追加している。

 ゲーム性自体には目新しい要素は無く、幾つもパズルアクションを楽しんだ人には物足りないかも。魅力の本質はヤーニーの仕草や世界観だ。
 
 若干気になったのが初見殺しに近いイベントが少し多いこと。リトライは早く何度も挑戦出来るのだが、ヤーニーの死に方がえぐいので結構辛い。
 

好きな人は大好きな系統

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 私は『Unravel』をプレイしてゲーム性は異なるが『Flowery』や『Everybody's Gone to the Rapture –幸福な消失–』を思い出した。『Unravel』もステキな音楽と映像を背景に物語を辿るこの手のゲームが好きな人には堪らないだろう。

 ヤーニーの繋いでいく人生の記録はスウェーデンが抱える社会問題を風刺しているのか胸に来るものがある。

 最近は美味しい所をギュッと凝縮している6~10時間程で終わる作品が気に入っている。本作『Unravel』もその一つだ。まとまった時間が取れない人にこそ、ヤーニーと共に人生を辿る冒険を楽しんで欲しい。