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人生はFPSゲーム。時々哲学。

 FPS特にCoDやBFが中心。 その他のPS4ソフトやVRゲームの感想・レビューや雑談なども記事にしています。 詳細はプロフィールへ。

[感想・評価]Until Dawn(アンティルドーン) -惨劇の山荘-レビュー

Until Dawn(アンティルドーン)のレビュー

Until Dawn -惨劇の山荘-

Until Dawn -惨劇の山荘-

 豊かな自然に囲まれた冬の山荘に集まった8人の若者。しかし、親交を深めるために集った山荘には惨劇が待っていた。
 世界は些細な影響の積み重ねで出来ている。あなたの行動・判断が8人の運命を変えるのだ。

総論

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 美しい映像と素晴らしい雰囲気。幾つかのホラー映画を彷彿とさせるイベントや演出の数々。そして問われるプレイヤーの判断と意外な結果。アンティルドーンはホラー映画ファンには堪らない贅沢なゲームである。

 QTCの完成度が高く期待以上に「ゲーム」として成り立っている。欠点は想像よりリプレイ性に欠けた点とホラー映画好きでないと十分に楽しめない可能性がある点だ。

 問題はローカライズによって生じた暗転である。満足度が高い分だけ規制に関しては私も不満が残る。暗転がストーリーに与える影響に関しては、「個人差」があるので言及しにくい。


ホラーファンの夢が叶うゲーム。

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 このゲームは贅沢なホラー映画の詰め合わせだ。ホラー映画は王道の作品から粗削りな作品まで様々だがB級が多い。ここで言うB級とは内容でなく低予算の意味だ。そんなホラー映画の世界で最大の敵は「チープ」になりがちな点にある。

 そこをアンティルドーンでは魅力的な俳優陣と素晴らしいロケーションで豪華に作り上げたのだ。音響も一級品だ。さらにストーリーはお約束のお色気シーンからアクションシーンまでと「夢の全部入り」である。様々なシチュエーションの元ネタとなる映画を思い浮かべながらプレイするのは実に楽しい。

 何より評価したいのは様々な要素を詰め込みながら脚本の破綻が殆ど無い点だ。きっちり張られた伏線の数々には驚いた。
 

美しくリアリティのある映像

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 映像表現の完成度がとても高く素晴らしい映像が楽しめる。特に光と影の使い方や見せ方が本当に上手い。このゲームは廃墟マニアにもおすすめ出来る。

 さらに俳優の演技以外の面でも丁寧に作っているので感情移入がしやすい。イベントシーン以外でも視点と頭の動きが同期してあったり、汚れたドアノブを触った後に手を払ったりと動きが生々しい。
 そしてプレイヤーの行動に合わせてキャラクターの見た目も細かく変わっていく。これがリアリティを与えてくれる。

 作り込まれたゲームの世界にはリアリティを感じさせる「ピタッとハマる一瞬」がある。高い評価を得ているウッチャー3やバットマン:アーカムナイトも同様だがリアルと言うより「リアリティ」なのだ。アンティルドーンのプレイにもその瞬間が確かにあった。


手堅く作られたゲームシステム

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 プレイヤーの行動や決断で登場人物の未来が変わるバタフライエフェクトシステム。確かに「自分だけのエンディング」に導いてくれるシステムだ。

 しかし、登場人物の生死や人間関係がリプレイ性を高めてくれるかは、初回のエンディングや個人の好みに大きく左右されるだろう。

 個人的に高く評価したいのはQTEを含めた操作の面である。時間制限やタイミングが絶妙なのだ。
 アンティルドーンはメイキングでも語られている様に、プレイヤーにセンサーを付け情動を数値化し統計データを集めている。

 そのデータを元にBGMでプレイヤーにイベントに対する準備を促し、驚くシーンではプレイヤーに落ち着くまでの時間を与えている。これによりプレイヤーは操作を通じて登場人物に同調できるのだ。


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何もしないと言う選択でも物語は進んでいく。この制限時間が絶妙だ。


欠点そして規制問題

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 ある程度の分岐はエピソード選択で事足りるのだが、新規で始めると前回のデータが消えてしまう点は残念。
 人間関係が影響し会話や行動が変化するのだが、分岐が多すぎるので難しい所だとは思う。

 話題の規制は必ずしも暗転が原因でストーリーが追えなくなる訳ではない。個人的には騒いでいる人の多くはプレイせずに便乗しているだけだと感じる。
 ただ、テキストの読み込みが甘かったりするとストーリーを見失う可能性はある。そこはプレイヤーの問題とも言えるが、規制が無ければ確かに顕在化せずに済む問題だった。

 致命的だったのは想像以上の人間が、スプラッター映画やスラッシャー映画として期待していたと言う点であろう。
 プロモーションからして売りの一つであり、残虐シーンを期待していた人には最悪の規制だった。それこそ全てを奪われたに等しい。怒りに燃えるのは当然だ。

 しかし、アンティルドーンが持つ楽しさの本質では無いし、規制のシーンに関して詳しく公表すると重大なネタバレが避けられないのも事実だ。SCEも本編と同様に難しい判断を迫られたとは思う。 


最後に

 Amazonでも規制を理由に低評価を付けられている。しかし、アンティルドーン自体は真摯にゲーム表現と向き合って作られた質の高い作品である。そこは忘れないでほしい。
 規制でケチが付いたのが本当に残念でならない。


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