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[PS4]The Order: 1886(オーダー) 感想・考察。ネタバレ注意版。

 検索で意図せずネタバレが目に入ると申し訳ないので、冒頭は他愛ない話題に触れます。


 The Orderのデザインや雰囲気は素晴らしい。正に映画に匹敵します。ストーリーは円卓の騎士、聖杯伝説、古典的モンスターを詰め込んだ王道。特に時代考証に力を入れており、一応架空の世界ですが歴史を上手く取り入れており驚きました。

 映画としてもつまんねー。と言う意見も見受けられますが、どちらかと言うと盛り上がって来た所で続きは次回作で!となった反動だと感じました。終盤の盛り上がりはとても良かったです。続きが早くやりたい!







 そろそろ本題に入りましょう。念の為余りネタバレはしないようにしてますが、ネタバレ嫌な人はここで帰りましょう。


 項目は大きく分けて三つ。一つはQTEを筆頭としたゲーム性に関して。二つ目はストーリーに関したもの。三つ目は続編に関して。思うままに勢いで書くのでご了承を。

☆ゲーム性に関して。

 結論から言うと
 1)QTEは相当頑張っている。

 2)TPSはエフェクトが主役。


1)QTEに関して。

 効果をきっちり狙っていると感じた。某ゾンビシリーズの様に突然岩が転がって来て避ける様なQTEの評判を下げる使い方ではない。特別な理由も感じられず突然出てくるQTE。あれは最悪だ。

 QTEは手品の様な物で、タネを見つけようと斜に構える様な姿勢だと楽しめない。素直に騙され・驚く子供の心が必要になる。その点でリアルな映像とは相性が良かった。



 例えばステルスキルの時にガラハッドがナイフを取り出すシーン。ナイフを準備する動作を早めに入れることでQTEの指示が出る前にプレイヤーに「はい、準備してね。」と自然に伝えている。ガラハッドが感じる緊張をプレイヤーは感じ取れるだろう。


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足音を忍ばせるガラハッドの緊張が伝わってくる。


 また、失敗を含めQTCの結果は様々なパターンがあり、色々と試してみたくなる。



The Order:1886のミスがまるでBlooper(NGシーン) - YouTube
 思わず吹き出したQTCの失敗シーン。




 QTEを通じて感じる一体感は確かにある。個人的には開錠は何となく気持ちが良かった。画面と操作感が近いのだろうか。幾つかのQTEは直感的に操作できた気がする。


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 音が良いからか鍵を開けた感覚が心地よい。




 特にボス戦は素晴らしい出来だった。正直言って最初はイマイチだと自分も思った。操作の面白味もないしがっかりした。しかし、気軽に自分の好みの演出が出来る方法だと気が付いてから評価がガラリと変わった。わざと攻撃を受けたり避け続けたりと自分好みの戦う姿を再現できるからだ。


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 メイン→サブ→ナイフとQTCの失敗で武器が変われば、より面白かっただろう。





2)TPS部分はエフェクトが主役。


 銃声や硝煙の表現が素晴らしく強めの反動で当てにくい。それが合わさり「撃っている感覚」を強く感じる。映画的な魅せる撃ち方も多く見られてプレイ感覚は上々だ。

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 余り当たらないけれど格好いい。


 売りの一つである架空武器はどれも個性的で面白い。中でもアークガンは派手さと威力に優れて実に画面映えする。特にガラハッドの心情を表現する役としては素晴らしかった。
 アークガンを使うと敵の反応が凄い。いちいちアークガンを恐れている事を叫ぶし、倒した時もやけに大きな悲鳴を上げる。当てると人体欠損を起こし、やたらリアルな倒れ方をするので使っていて心苦しい程だ。


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 恐らく様々な「撃たれた演技」を取り込んでる。倒れ方が変にリアルだ。



 個人的にはThe OrderはTPSやQETを使って「演出する事」を楽しむゲームだった。映画の演出家の気分を味わえた。



 

2)ストーリー

 表情まで表現している素晴らしゲーム映像で、瞳の動きや口元の歪みもきっちり判別できる。キャラクターもとても魅力的でキャラゲーと言っても良いかもしれない。その点では圧倒的に女性の方が楽しめるだろう。


 ストーリーは全体的に説明不足だと感じる。もう少し分かりやすくして良かった。


 幾つかそんな場面は有るが個人的に気になった点を幾つか上げようと思う。



 まず、一連のパーシバルのイベント。イマイチ感情移入が出来ない。

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 信じたら墜落したんですけど


 長寿であり一般人と同じ時間軸にいない騎士団メンバー。その中でも100年単位の戦友であるパーシバルとガラハッドには強い絆が有るのは分かる。しかし、共闘する期間が短くてイマイチ釈然としない。だから後のガラハッドの怒りに対してプレイヤーはどこか置いてけぼり感が出てしまう。
 強い怒りに支配されたガラハッドが人間相手に対半獣用のアークガンを平気で向け、命令を無視して暴れまわる訳だが何となく同調できない。終盤同様に盛り上がる場面なのでとても勿体無い。


 他の二人はガラハッドとの関係性をきちんと表現していると思うので尚更に惜しい。パーシバルとの絆を表現する為に2章冒頭はイグレインと交代させた方が良かったと感じる。
 




 次にヒロインの座を奪われたイグレインの深い怒り。

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 そこ、迷わないの?急にどうしちゃったの?



 急激な豹変に違和感を持った人も居ると思う。あっさり有罪を宣告する冷徹さに、ラファイエット同様にどうしたの君?って感じだ。自分は最初は意味不明だった。これ、よく考えると二重の意味で「裏切り」だと信じていると気が付いた。

 真のヒロイン姫様と二人で「売春宿」から出てきた。オマケに「装備は売春宿で脱いでいる」のを発見。騎士団を裏切り、自分も裏切られた(寝取られた)。イグレインがこう考えているなら、あの憎悪の強さも何となく納得できる。正直、最初は気が付かなかった。


 イグレインは今後もどんどん勘違いをして立派な敵役になっていくだろう。完全に姫様がヒロイン枠である。容姿のデザインで気付くべきだったか。



 他にもテスラの研究室に有った黒板が病院の隠れ家に置いてあり、テスラが裏切っている事を示唆していたけど説明はしない。これもきちんと部屋を歩き回っていない人は気が付くわけがない。そんな事が所々ある。

 最大の欠点はアーサー王伝説やイギリス近代史に詳しくないと背景が理解できないシーンが多すぎる。

 パーシバルの本名マロリーが恐らく「アーサー王の死」の作者から取っている点を見てもファンサービス旺盛だ。私は円卓の騎士に疎いので気が付いてない所もありそう。

 拘りを活かす為にもアサシンクリード2の様に歴史背景を説明した方が良かった。無線を使ってテスラに喋らせるだけで歩くだけの場面も大きく印象が変わるだろう。本当に惜しい。



☆続編に関して

 安定の俺たちの戦いはこれからだ!で終わる事になる本作。3部作という噂も聞いているので今後に期待。続編作ってくれないと本当に困る。


 長い歴史を持つ組織が柔軟さを失い硬直化するのは良くある話。責任を押し付けガラハッドを騎士団を追放しながらも、ガラハッドがインド連合会社の打倒に成功したら戻って来れる席を残しておく爺さん。老獪な戦略だ。

 極秘任務とも取れる様な形で追われる身となったグレイソンは騎士としての名前を捨てます。しかし、敵の中枢はシティ・オブ・ロンドンにあり、戦いを継続するなら街を離れる訳にはいかない。次回作もイギリスが中心になるでしょう。


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2/24 訂正
 上記の部分。ガラハッドの名を残すと勘違いしてました。見直して気が付いた。


・大法官は騎士団長である息子の行為は知らなかった。(知っていたのは半獣だという事だけ)

・東インド連合会社と騎士団の協力は必要不可欠(政府の機関なので)。しかし、半獣を広めることは騎士団の存在意義に反する。
 
・事実が知られると騎士団の団結が崩れる。(2派に分かれるのは確実)だから秘密裏に処理すると爺さん。

・ガラハッドの私が犠牲になる発言。裏切りの汚名を被り一人半獣と戦う事を決意。

・ガラハッドが騎士団から除名。イギリスを去る?




 見直して思ったが


 ラファイエット「アデュー ムッシュー。  また会う日まで。」

 ガラハッド「あぁ また会おう 友よ」


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 このシーンは本当に格好いい。次回作はラファイエットが主役でもいいな。


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 個人的には次回作には物凄い期待している。理由は1886年が終わり1887年に移るからだ。


 1887年は緋色の研究が発表された。そう、偉大なるシャーロック・ホームズが生まれた年なのだ。登場するか分からないって?これに気付いたのは、作中で「ドイル捜査官」と言うセリフがあったからだ。
 史実でも切り裂きジャックに関して作者であるコナン・ドイルは捜査協力をしている。これはホームズかドイルか分からないが十分可能性は有る。


 グレイソンと協力して切り裂きジャックを追う姿が想像できる!この時代背景でこんな良質な素材を使わない訳がない!

 個人の願望です。もちろん、これが外れても買います。


 今回の記事は不満点も有るけれど、自分はこれだけ楽しんで次回も期待していると伝えたかった。もう幾つかThe Order:1886に関して記事を作る予定なので、興味があればそちらも読んでください。産業革命中心の話題の予定です。


 
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